唇と口のまわりは、どこからどこまでか
唇は、皮膚の外側の層が薄く、赤く見えるのは下の血管が透けているためです。唇の赤い部分、そのまわりの皮膚、口角、あごの先、口の内側の粘膜で、触れたときの感じ方は少しずつ違います。
脳のなかで触覚を受け持つ領域を体の形に置き換えた図(ペンフィールドのホムンクルスとして知られています)では、唇と指先は、体の大きさのわりに広い場所を占めています。細かい触れ方を区別する力が高い場所だ、という意味です。
ここで注意したいのは、「触覚が鋭い」ことと「性的に心地よい」ことは同じではない点です。鋭いからこそ、強く触れられたり急に触れられたりすると、不快に感じやすいこともあります。
感じ方の個人差:キスが好きでも、唇が性感帯とは限らない
唇を性感帯に挙げる人は多い一方で、キスの心地よさは唇の感覚だけでは決まりません。相手との距離、息づかい、においや味、安心できているか、その日の疲れが重なって、好きにも苦手にもなります。
唇には触れられるのが好きでも、口の中に触れられるのは苦手、という人もいます。反対に、唇そのものより、顔が近づく緊張のほうが心地よいという人もいます。どれも、よくある感じ方です。
2016年に発表されたフィンランドの研究(704人、うち女性528人、平均26歳)は、体の絵に「性的に心地よい」と感じる場所を塗ってもらう自己申告の調査で、結果は体のほぼ全体が対象になりました。ただ、唇だけを取り出して何割の人が感じる、と言える形のデータではありません。割合は、ここでは書きません。
苦手なとき・痛いときの伝え方
唇は、乾燥、ひび割れ、口内炎があると、触れられただけで痛みます。口唇ヘルペスは、唇やそのまわりに小さな水ぶくれができることがあり、人にうつる場合があるといわれています。症状があるときは、キスや口への接触を休むのが一般的な考え方です。繰り返すときは、皮膚科で相談できます。
伝えるときは、断る言葉だけでなく、代わりにしたいことを一緒に言うと、相手も受け取りやすくなります。
言い方の例
- 「唇が荒れていて、今日は痛いの」
- 「口はやめたい。手をつなぐほうが安心する」
- 「ゆっくりがいい。急に強いと痛い」
途中で気持ちが変わったら、変わった時点で言って大丈夫です。さっきは平気だったから、と我慢する必要はありません。
となりの部位
よくある質問
唇が荒れているとき、キスは避けたほうがいいですか?
避けなければいけないと決めつける必要はありませんが、ひび割れや水ぶくれがあると痛みやすく、感染が広がる場合もあるといわれます。症状があるうちは休むほうが無難です。
キスがあまり好きではないのは変ですか?
変ではありません。体の感覚と気持ちの両方が関わる好みで、人によって幅があります。
口の中に触れられるのが苦手です。
唇と口の中は、感じ方が別になりやすい場所です。「唇まで」と線を決めて伝えて大丈夫です。
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